今回はランニング障害でも発生頻度の高い、「腸脛靭帯炎(ランナー膝)」についてお話させて頂きます!
腸脛靭帯炎について
ランニング時に膝の屈伸運動を繰り返すことによって、腸脛靭帯と膝の外側部とが何度も擦れあって炎症が起きてしまい、膝の外側に痛みが出てしまう状態のことを言います。
腸脛靭帯とは?
大腿部(太もも)の外側にある靭帯で、「大腿筋膜張筋」や「大殿筋」が付着(移行)している靭帯です。膝関節が40度前後の角度で屈伸運動を行う際に、大腿骨外側上顆(膝関節の外側上部)を圧迫して擦れます。
①大腿筋膜張筋
主な働きは、股関節を外転(脚を外に開く)させます。
ランニング時は、身体が横に倒れないように支える働きをします。
②大殿筋
主な働きは、股関節を伸展(脚を後ろに引く)させます。
ランニング時は、地面をけり出して前へ進むときに働きます。
③腸脛靭帯
マークした位置が、擦れて炎症を起こす部位です。
以前ブログでお話した中にもありますが、オーバーユース(走りすぎ)により腸脛靭帯に炎症が起こる場合が多いです。
また、内反膝(O脚)の方や大腿筋膜張筋、大殿筋の硬さがあると、大腿骨外側上顆との摩擦が強くなり発生リスクが上がってしまいます。
腸脛靭帯炎の予防
練習を続けて痛みが出てしまってからでは、長期間の安静(ランニングの禁止)が必要になり心肺機能の低下や筋持久力の低下などが起こり、パフォーマンスの低下につながってしまうため痛みが出る前に予防を行うことが大切です。
①大腿筋膜張筋のストレッチ
大腿筋膜張筋は脚を外に開く筋肉なので、
脚をクロスしてストレッチをしたい方の殿部をななめ後ろに引く(椅子に座るイメージ)
倒れないように手で身体を支えてください。
②大殿筋のストレッチ
床に脚を伸ばして座り、「4の字」をつくります。
そのあと、伸ばしている脚を徐々に曲げて写真の様に殿部のストレッチをしていきます。
③内転筋のトレーニング
横向きで寝て、天井側(上)の脚を立ててバランスをとります。
床側(下)の脚を天井に近づけるように挙げてトレーニングをしていきます。
アクア整骨院での腸脛靭帯炎の治療方法
実際に腸脛靭帯炎になってしまった場合は、早期治療を行うことで競技復帰を早めることができます。
①アイシング
炎症が起きて熱感がある患部に対しては、炎症を抑えて痛みを軽減させるためにアイシングを行っていきます。
②電気治療・超音波治療
痛みが出ている患部に対しては、痛みを軽減させる電気(ハイボルテージ)を流し
原因となる筋肉の硬さがある部位に対しては、筋緊張をとる電気(立体動態波)を流していきます。
③手技療法・ストレッチ
硬くなった筋肉に対して手技療法やストレッチを行い、ご自身では上手くケアしにくい部位を治療していきます。また、自宅でのストレッチ方法の指導や練習前に行うと効果的なウォーミングアップの指導も行います。
④鍼灸治療
手技ではほぐしにくい筋肉をピンポイントで狙い、硬くなった筋肉の血流を改善して硬さを取り除きます。
⑤トレーニング
マルアライメントやランニング時のフォームの崩れがある選手に対しては、検査を行い筋力低下のある筋肉を中心にトレーニング指導を行います。
ランニングや他のスポーツで膝などに痛みがでてしまった場合やコンディショニング調整を行いたい場合はお気軽にご相談下さい(^^)
アクア鍼灸整骨院 堀川拓也