大腿部打撲、通称”チャーリーホース”とも呼ばれる傷害は、スポーツ中に大腿部に強い打撃が加わることで発生します。
この際、特に大腿部の筋肉が大腿骨との間に圧迫されることがあり、これが挫滅創(筋肉の損傷)を引き起こす一因となります。
大腿部打撲は、様々なスポーツで発生する可能性がありますが、特に接触が多いスポーツ、例えばバスケットボール、サッカー、ラグビーなどでよく見られる傷害です
。一般的には「ももかん」として知られ、軽視されることが多い外傷です。
しかし、適切な治療を受けずに繰り返し起こすと、骨化性筋炎と呼ばれる合併症を引き起こす可能性があります。骨化性筋炎は、筋肉が骨とつながり、運動能力に影響を及ぼす状態を指します。
このような大腿部打撲の発生率は、スポーツにおいて比較的高く、適切な予防策と治療が重要です。
どのようにして起こるか
大腿部打撲の主な原因は、外部からの強い力です。
特にバスケットボール、サッカー、ラグビーなどの接触が多い競技では、相手の膝などが大腿部に強い打撃を与えることが多く、これが大腿部打撲の一般的な原因となります。
また、日常生活でも転倒や転落によっても大腿部打撲が発生することがあります。
大腿部打撲が発生する主な筋肉には、中間広筋、大腿直筋、外側広筋などが含まれます。
これらの筋肉は大腿部の主要な筋肉であり、外部からの打撃に特に脆弱であるため、打撲の影響を受けやすいとされています。打撲によってこれらの筋肉が損傷すると、痛みや筋肉の腫れが生じ、運動能力に制限が生じることがあります。
大腿部打撲は、予防策の重要性を考えるべき怪我であり、適切な治療とリハビリテーションが必要です。
症状
大腿部打撲によって、痛み、腫れ、および内出血が生じることが一般的です。
症状の重症度が高まると、腫脹などの影響により膝関節の可動域が制限されることがあります。
特に、重度の腫脹や痛みによって可動域が制限される場合、筋肉内の出血が増加し、圧力が高まり、急性コンパートメント症候群の発症が考えられます。
このような場合、早急に医療機関を受診し、MRI検査などの精密な検査が必要です。
大腿部打撲が慢性化すると、筋肉が硬くなり、関節の可動域が制限されてしまうことがあります。
この状態は拘縮と呼ばれ、運動能力に大きな影響を及ぼす可能性があります。
したがって、大腿部打撲は頻繁に発生する傷害である一方、適切な処置とリハビリテーションが必要です。症状が重篤である場合や合併症の疑いがある場合は、迅速な医療対応が重要です。
処置
大腿部打撲の急性期において、出血を最小限に抑えるために行われるRICE処置(Rest, Ice, Compression, Elevation)は以下のステップで行います。この処置は炎症を軽減するのに役立ちます。
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仰向けになり、膝を曲げて、大腿部前面にストレッチをかけるようにします。これにより筋肉の収縮を抑え、出血を抑制します。
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アイシングを大腿部の打撲箇所に当て、弾性包帯などで固定します。アイシングは炎症を鎮め、痛みと腫脹を軽減する役割を果たします。
大腿部の打撲の場合、膝を曲げてストレッチをかけることで、筋肉をリラックスさせ、出血が溜まる余地を減少させ、また圧迫によって出血を止める助けを提供します。
痛み、腫脹、発赤、熱感などの炎症症状が軽減してきたら、早期にストレッチ(静的から動的なものへと段階的に進める)や可動域訓練を開始し、徐々に負荷を増やしていきます。
復帰には内出血や筋硬結がなくなっていることが重要です。炎症が完全に収まらないうちに過度な活動を行うと、再び出血や損傷を引き起こす危険性があるため、十分な休養とリハビリテーションが必要です。
また、大腿部打撲を適切に治療せずに繰り返すと、骨化性筋炎を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。