成長期のお子さんが、関節の痛みを訴える時によく言われるのが“成長痛”ですが、実は“成長痛”という呼び方は通称であり、正式な診断名ではありません。
痛みの原因は今のところはっきりしておらず、医学的には、骨の成長に伴うことによって痛みが発生することはないと言われています。特に幼児や小学低学年のお子さんの場合は、精神的な部分での要因が大きいのではという見方もあります。
痛む時間帯は人それぞれですが、夕方から夜にかけてというケースが多く、痛みを訴える時間も短く痛む場所も色々変化し、次の朝にはすっかり治っているということも少なくありません。
お子さんとの関わり方を少し工夫することで治ることもあり、背中をさすってあげることで自律神経を安定させることにも繋がるため、痛がる場所とともに背中をさすってあげるだけでも症状が和らぐことがあります。ただ、同じ部位に繰り返し痛みを訴える場合は炎症が起こっていることも考えられるため、痛みを訴える期間が長引くようでしたら、整形外科などで受診することをおすすめします。
また動きが激しいスポーツなどを継続的に行なうことにより、筋肉が酷使され痛みが出る場合もあります。
このようなケースも成長痛と呼ばれることがありますが、安静にしていれば痛みが治まる成長痛とは異なり、痛みが出る場所や状態によってそれぞれ疾患名が付けられるスポーツ障害に分類されます。この場合は、原因を見極めて適切な治療を行なうことで、痛みが治まったり早期に回復でき、運動再開もできるようになります。
今回はスポーツ障害で多く見られる、膝に痛みが出る“オスグッド病”と、かかとに症状が出る“シーバー病”をご紹介します。
オスグッド病の患者様で最も多いのは、10代のスポーツをしている男性であると言われています。膝を使った動きを繰り返すことで膝の下に痛みが出たり、膝の下の骨が突出してくることが特徴で、スポーツを行なう方が発症するため、スポーツ障害とも言われます。
安静にしていると痛みが消失するケースもありますが、運動を再開すると痛みも再発してしまうというケースがほとんどです。
オスグッド病は膝に痛みが出るため膝のトラブルと思われがちですが、ほとんどの場合、その原因は膝ではなく大腿四頭筋の固さによって膝に負担がかかることで痛みが発症します。
大腿四頭筋は、太腿の前側から膝のお皿の下の部分に付着しているため、繰り返しの運動で大腿四頭筋に負荷がかかり過度な緊張状態になることで、付着部であるお皿の下が引っ張られ炎症を起こします。さらに症状が悪化すると、膝のお皿の下が出っ張ってきます。
症状を見ると、スポーツを行なう人だけの疾患と思われがちですが、大腿四頭筋に固さがあり、片側だけに体重がかけて歩くなど、アンバランスな身体の使い方をしていると、スポーツをあまりしない方でもオスグッド病を発症する危険があります。
シーバー病は、オスグッド病と同様に成長期特有の症状で、小・中学性の男子によく見られます。激しい運動によって、まだ成長しきっていないため軟骨部分がまだ多く残るかかとの骨が、筋肉によって過剰に引っ張られ負荷を受け続けることで、筋肉に付着している骨が剥離しかけて痛みが出る疾患です。運動している時だけでなく、安静にしている時にかかとを押しても痛みます。
かかとの痛みを我慢して運動を続けていると症状が悪化するだけでなく、痛む方の足を庇う動きが身についてしまうことで反対の足を痛めたり、膝や腰も痛めてしまうなど他の障害を発症する危険もあります。
墨田区錦糸町アクア鍼灸整骨院では、オスグッド病、シーバー病ともに、膝やかかとだけでなく、まず体全体の状態をチェックいたします。その後骨盤の歪みや不良姿勢などを確認し、問診、検査の結果をもとに施術を行なっていきます。
骨盤が歪む原因のひとつとして、体幹が安定しないということがあるため、固くなっているところは緩め、不安定なところはトレーニングなどを通して強化していきます。
体の使い方の癖が原因で痛みが出やすい場合もあるため、必要に応じてフォームの確認や矯正も行ないます。